真っ暗なトンネルの中を、

重い荷物を背負いながら、

恐怖と不安に駆られながら歩いている。

真っ暗な冷たい海の中に放り出されて、

浮き輪につかまって漂っている。

そんなとき、遠くにかすかな光が見えたら、

それがどんなに小さな、弱々しい光であっても、

きっと、ホッとするでしょうね。

これで助かるかも、と思うでしょうね。

その光が見えたところで、

背の荷物が軽くなるわけでも、

冷えた体が温まるわけでも、

そこにたどり着くまでの道のりが

縮まるわけでもありません。

重い荷物を背負って、

自分の足で一歩一歩、

歩いていかなければならないことに、

水の冷たさに凍えながら、

自分手で一かき一かき

泳いでいかなければならないことに、

何のかわりもありませんが。

足元をがんがん照らしてもらうのもありがたいですが、

微かな僅かな光のほうが、

かえって、自分の中に希望や勇気が湧いてくるような気がします。

塾って、

そんな微かな光でしかないのかもしれません。

空とぶ魔法のじゅうたんにはなれません。

それでいいと思っていますが。