☆ 自力で問題を解決したときのすっきり感!
2021/05/23
「問題解決能力を鍛えること」こそ 学習の目的!?
問題解決能力を身につけるには?(その2)
前回の「問題解決能力」って?なんの役に立つ? の続きです。
■「問題解決能力を身につける」これこそ学習の目的
「問題解決能力」は、毎日、学習しながら、じっくり身につけていくもの
だと思います。朝起きたら、身についていた、といったものではないようです。
その土台となるのは、やはり、学習能力(地頭力)。この能力が貧弱では、
問題解決能力を身につけ、伸ばしていくことはできないでしょうね。
学校の勉強だけで身につくものでもない、とも思います。
日ごろの生活の中で、いろいろな問題やトラブルを自力で解決していく
経験の積み重ねで、身についていくものだと思います。
「トラブルが起きた」その当人である子どもたちに、
自力で解決させようとする。なかなか解決できなくてじれったい。
解決法を教えて、その通りにさせるほうが手っ取り早いですし、
そのほうが、周りで見ている大人たちもストレスが少なくて済みます。
でも、それをぐっと我慢して、自分で問題を解決させる。
その経験を積ませる。失敗を許す心の余裕も必要でしょうね。
勉強を教えるのと同じです。
質問されて、解き方や答えをさっと教えてしまえば、
その子は自分で問題を解く力は身につきませんし、
学習意欲も減退していきます。
○多面的なものの見方を身につけるトレーニング
算数や数学の計算問題なら答えは一つに決まるでしょうが、
その答えにいたる方法は一つでないかもしれません。
身の回りで起きるトラブルや問題の解決方法も、一つとは限りません。
問題解決の糸口もいくつも思い浮かべることができれば、いいですね。
毎日の学習でも、答えが求められればそれで満足、ではなく、
その答えに至る過程を考える論理的な思考力を鍛ておくことでしょうね。
さらに付け加えるなら、分析力や推察力を鍛えること。
柔軟な思考回路のトレーニング。できるだけ客観的なものの見方。
その問題が生じた原因までさかのぼってみる思考力なども必要かと。
さまざまな方向からものごとを観察し、考える習慣が身についていれば、
対応策もたくさん思い浮かぶはずです。トラブル解決も速いのでは?
選択肢がひとつしか思い浮かばない。それがうまくいかないとなると、
いきづまり、追いつめられてしまうことにもなりかねません。
追い込まれれば追い込まれるほど、心に余裕をなくし、
ほかの解決方法も思い浮かばなくなる。その悪循環に。
ちょっとしたトラブルで、いきづまってしまう人は、
解決方法が一つしか見つからないから、なのでは?
多面的なものの見方ができないからなのでは?
○とりあえず、解決策を試してみる実行力
「うまくいかないだろう」とうすうす感じていても、
とりあえず実行してみる行動力が必要でしょうね。
試してみてはじめて、そのトラブルの原因など、
今まで見えていなかったものが見えてくることもあります。
そこから、新しい対応策や修正案を思いつくかもしれません。
問題が生じた。対処したけれど解決しなかった。
それは「失敗」したのではなく、ただうまくいかなかっただけ。
役に立たなかったその方法を排除して、新しい方法を試してみればいいだけ。
「失敗」という言葉を使わないように、思わないように、私はいつも
意識しています。「その方法はうまくいかなかっただけ」
そう考えるようにしています。トラブルを前にして、
あれこれ解決法を探すだけで何もしようとしない。
それこそが「失敗」だと思っています。
知識や情報を得るのが得意な人。いわゆる頭のいい、学習能力に優れ、
論理的な思考力の発達している人は、なにかトラブルが起きても、
思いついた対処法がうまくいかないことが、すぐに見えてしまいます。
うまくことが運ばないことはわかりきっている。
だから、あえてそれを試してみようともしない。
学習能力(地頭力)に優れていること。いいことばかりではありません。
「100%完璧」をいつも求められて子は、
「絶対にうまくいく」と確信できないことに手を出すことに躊躇します。
「ミスすることはいけないこと」という考えを刷り込まれていますから、
どうしても消極的になり、自分に自信が持てません。
さらに自己肯定感がもてない、ということにも。
問題解決能力を身につける前に、こういった心理的な面も
見直していくことも大切でしょうね。奥深く、厄介なことですね。
予想は外れるものです。十中八九?思うようにはことは運ばないものです。
「失敗したくない」から躊躇する。誰でもそうでしょうね。
それでも「とにかくやってみる」そうすれば、問題の原因や、
その方法がうまくいかない理由も見えてくるかもしれません。
見えてきたら修正していけばいいわけでして、
この「修正力」こそ、問題解決のキモではないかと思っています。
〇これから起こりそうな問題やトラブルを想定しておく。
問題やトラブルを予測して、軽度、中くらい、最悪の場合を想定しておく。
それに対する対応策をあらかじめ決めておく。
3つの程度に対して、それぞれ3つくらいの対処法を心に置いておく。
大概のことは、その想定の範囲内に収まるものですので、
頭の中が真っ白になったり、パニックを起こしたりしないでしょうし、
即座に冷静に行動に移せます。
私はいつもこれを意識するようにしています。 それでも、
この問題が起こることは、ある程度は予測がついていた。
まえもって十分準備をしておく時間は十分あったのに・・・。
あとから後悔することもしばしば。
「都合の悪いことは、起こらないことにしておこう」です。。。
起こり得るあらゆる問題を想定することは、まず不可能なことです。
もし、うっかり命を落としてしまったら・・・
それは、その時に考えることにいたします。
・・・話がそれました<m(__)m>
■2020年度の学習指導要領の改訂では、3つの柱が設定されました。
① 知識および技能~実際の社会や生活で生きて働く力
➁ 思考力、判断力、表現力など~未知の状況にも対応できる力
③ 学びに向かう力、人間性など~学んだことを人生や社会に生かそうとする力
この3つの柱、「問題解決能力を鍛えろ」と言っているようなものなのでは?
特に➁の「未知の状況にも対応できる力」とは、問題解決能力そのもの!
問題解決能力を磨き、鍛える教育にシフトする、ということでしょうか。
前回に書いたことの繰り返しになるでしょうが、
一昔前の学校教育では、与えられた知識や情報、それに技術を
どれだけたくさん蓄えるか、どれだけ正確に引き出せるか。
それを試すのがテストや入試問題でした。その量と素早さを競わされ、
その出来で判断され、成績や合否が決まっていました。
今は、情報化社会。インターネットなどを使えば、
即座に必要な情報がいくらでも手に入ります。
情報量が多すぎて取捨選択できないくらいに。
だったら、なにも苦労して覚える必要もない。
AIに記憶や知識量でかなうわけがありませんし。
そうなると、はやりこれからの社会では、
想定外の問題やトラブルに、柔軟に臨機応変に対応できる、
「問題解決能力」を即座に発揮できるかどうか、にかかってくる
と思います。日ごろから鍛えておくことが大切でしょうね。
いくら豊富な知識や情報を持っていたとしても、
それを自由自在に活用し、応用できなければ意味がありません。
問題やトラブルは解決できません。
今まで経験したことのないような問題に直面したときに、
それまでの経験は生かせません。
柔軟に臨機応変に対処できる「問題解決能力」こそ、
これからの社会で生きていく上でのカギになる、はずです。
〇自分の力で問題やトラブルを解決できたら
すっきりしません?
問題やトラブルを自力で解決したときの満足感、重苦しかった気持ちから
解放され、すっきりした経験はありませんか?
他人に解決してもらうよりも、問題やトラブルが大きいほど、
解決に時間がかかったときほど、そのすっきり感も大きいとおもいません?
小学生や中学生、それに高校生のみなさん、
頭の柔らかい今のうちに、「問題解決能力」を身につけ、
鍛え、伸ばしていきましょう。毎日、学校での勉強は、
この「問題解決能力」を身につけるトレーニングだと思って。
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